潮岬の根元にある串本海中公園へ。
　ここも親に連れられて来た事があったので、これといって興味はなかったのだが、その記憶が俺の脳にどれほど残っているのか確かめたくて１０３０円を払って入園。
　園内をうろうろしながら、それら目に入る光景を異常に覚えていた自分に驚いた。みやげ物売り場の情景すら覚えていた。そういえば小学生時分は神童といわれていたのだった。
　底がガラスになっていて海中を見ながら遊覧できる海中展望船は、強風のため運航しないということだった。昔もそうだったような気がした。そうか、もともとこのへんは風が強かったのか、と納得する。
　しかたないので海中展望塔だけを見たように思う。（今の俺はアホなので覚えてません）天井がアクリルのトンネル状のあれもあったりした。

　じっさいのところ、串本で宿泊してまだ串本にいるわけで、ぜんぜん進んでいなくて、こりゃ急がねばならんな、とスタート。
　飲み物を買いにスーパーに入った。１、５リットルのペットボトルが、２本で３００円くらいだったので、おお安いとオレンジとアップルの１００パーセントジュースをついつい２本買ってしまう。買ってから、自分がオレンジジュースが苦手だった事を思い出すが仕方ないので飲んだ。２本とも前かごに入れていた。

　とりあえずの目的地である和歌山市に向けて走り出す。海を見ながら風に吹かれながら高浪を見ながら２０キロばかり走って「童謡の園」に到着した。
　『珍日本紀行』で知っていた俺は、中に入ることにした。まあ別に金をとられるわけでもなく、ただの遊歩道な雰囲気だ。
　歩いていたら、どこかにセンサーがあったのか童謡のメロディが流れだす。そこかしこから流れだす。曲の流れるところには、その童謡を刻んだ碑があり、それを見ながら口ずさみながらぶらぶら歩く。いい気分になる。便所があったがひどく汚かった。

　ずっとＲ４２。そのままこれといった事件もなく、強風にあおられながら夕方になる。
　和歌山県随一の観光地である白浜には見るべきものがたくさんあったが、すでに夕方。
　とりあえず、記憶も記録もまったくないので、白浜で撮った写真を見ながら話を進めることにしますけども、右は三段壁という景勝地であります。いわゆるがけっぷち系でございますが、これはたしか、エレベーターで波打ち際まで降りる事ができる、みたいなそんなギミックが搭載されていた筈です。だからして、台風なんぞの来ているときには見られない事もある、ということで、このときも見られませんでした。いま調べたところ、１２００円もとるそうなんで、風がなくても見なかったかも。
　その下の写真は円月島ですね。よく知りませんでしたがこりゃおもしろいかたちだと思って撮影しました。なかなか有名なところみたいです。こうしてみると、紀伊半島はおもしろ岩が多いんですね。

　温泉街を汚い体で通り過ぎるのもどうかと思ったが、銭湯のようなものに入る気力もなく、白浜を自転車を降りることなく走りぬけた。歓喜神社とかこのへんじゃなかったっけと思いながら。

　暗くなっても更に走りつづけた。走り続けるしか身の処しようがなかったから。
　１９時すぎにラーメン屋に入り、チャーシューメンを食った。
　なんとなく、へんな雰囲気の店だった。変というか、やな感じだった。食ってすぐ、出た。
　この時点で、今日の目標の和歌山市までは１００キロ弱ある。まったく目標に達していなかった。
　やはり風のせいか。

　店を出てさらに走りつづけた。もちろん日付が変わるまで。

　串本から御坊まで１３５キロ。

　出費
　ＣＣレモン・グレープスカッシュ・レモンスカッシュ･シトラスマジック･おいしいオレンジ１、５・おいしいアップル１、５・十六茶・ラフランスソーダ・マスカットスカッシュ・プロテインウオーター（１１８９／５、７リットル。いくつかの飲料については買った場所を思い出した）　チャーシューメン（６００）　カップヌードル（２００）

　飲んだ割にはぜんぜん食ってないんじゃないかおれ。