2003年チャリ旅日記(後)

8/28日(2日目/最終日)

 まだ、休み2日め。なんと濃密な休日だろう。

 とりあえず起床し、入浴後、野菜生活(140円)とたばこ。

 7時前に健康ランドを出た。アゼロン千葉というようだ。深夜割増料金が1050円。(2005年に閉鎖されたそうです)

 ランド前のベンチにこしかけ、昨日たべなかったパンを食べた。

 空は薄曇り。

 R16に戻る。
 尻が痛い。昨日はなんともなかったのに。トシとると筋肉痛とかが遅れてくるんだけど、そういうもんだろうか。つらい。

 R16と平行して走るさほど広くもない道を走りながら、神社を見ると自転車を停め、鳥居を撮影する。

 自転車を降りると、膝ががくがくする。疲れがたまっている。

 そんなわけで、まだまだアイドリング状態。

 そのうえ、びっくりするほどブレーキが利かない。まあ山道はないだろうから、いいか。

 8時を過ぎて、R14に道が変わる。おれはまっすぐ進んでるんだけどね。
 平日の8時ということで、千葉の中心部ということで、まわりはスーツを着たオトナたちばかりに。浮いてきた。

 腹が減ったので、8時10分ごろマクドナルド14号幸町店に。
 ソーセージエッグマフィンセットをコーヒーで。(378円)

 だらだらと、めしを食い、ノートに向かい、日記を書き。

 8時53分、出た。だらだらしすぎた。

 空はぼんやりと晴れてきた。

 だらだらと走りながら、こんな市街地を走っててもつまんねえなあと思ったので「←稲毛海岸」と書いてあった案内標識にしたがい左折。

 自動車ディーラーが多いな、なんて思いながら、海岸に。

 ただどうやら、自転車進入禁止だったようで、入れてもらえなかった。

 ので海浜公園ぞいにだらだらと走っていると、なんとなく入れるところに至ったので稲毛海岸に。

 防波堤みたいなところに腰掛け、自販機でなんか飲料を買って、ぼんやり。

 サイクリングロードというのかジョギング道というのかそういう海ぎわのみちを、サンダルを脱いで、ペダルを踏む。

 千葉船橋海浜線という公道に出たのでまたサンダルを履く。
 ちょうど10時ごろ、幕張メッセや千葉マリンスタジアムの前を通る。メッセには年に何度か来るが、自転車で来たのは初めてだ。

 来たというか、通りすぎるだけだけど。

 なんかまーっすぐな道。

 おれ以外にはほぼ人はいず、歩道と車道のあいだには背の高い木々。

 なんとなく、最高速チャレンジをしてみた。立ち漕ぎはしんどいので、すわりこぎで。38km/hばかり出ただけで、どっと疲労。

 10時11分、県道15号。習志野市に入る。習志野といわれても、津田沼の駅まわりをぼんやり歩いた記憶しかない。

 前述のとおり歩道と車道の間には街路樹が元気にしげっており、車道にとりつけてある案内標識がぜんぜん見えない。

 なのでこの道が正しい道なのか不安になってくる。方位磁針を見ると、じゃっかん北よりに進んでいる感じだ。

 あとで地図を見返せば、まだ東京湾の北端には至っておらず、やや北西へ進路をとっていて間違ってはいなかったんだけど、地図を持ってない俺はとにかく不安になったんです。

 で、大きな道だなあ、と思ったところを左折、南に向かうことにした。海の見えるところを走りたい、という気持ちで。

 交通量は多くなく、トラックばかりのとおる道。なんだろこれ。
 しばらく走って、海に出た。
 ゆきどまり。
 途中で気付けよ、って話ですが、ここ、物流倉庫街ですね。

 しかたなく戻る。もとの場所に戻るのはもったいないので、西へ北へとくねくねと。

 あ、ザウスだ。たぶんザウスだ。

 10時54分、船橋市。R357に戻ってきた。

 いま急に気づいたけど、チャリ旅人と俺があまり邂逅しないのは、時期的な問題もさることながら、でかい国道ばかり走ってるからじゃないのか。

 まいいか。

 10時57分、市川市。

 なんだろね、高速道路なのかな、それと国道が並走する道の、しっかりした歩道を、そう、炎天下、だらだらと進む。右が道路、左がJRだろうな、高架。

 11時過ぎ、前方から歩いてきた白人に、声をかけられる。
 最寄り駅はどこか、というようなことを、英語で聞いてきた。

 だからなんで俺に訊くんだよ、俺も知らねえし知りたいよ、と思ったが、自分も旅人なのでよくわからない、ということを俺が英語で言えるわけもなく、線路に沿ってるんだからどっちかに駅はあるだろうとどっちかを指さし、去った。

 11時31分、浦安市に入る。

 前述の通り、基本的には自動車が中心の道路であり、コンビニなどもなく、自販機もなく、ないまま舞浜駅。ここにも自販機が見当たらず、ディズニーランドの前をとおるがやはり見当たらず、喉の渇きを訴えながら、橋を渡ると江戸川区。

 11時55分、ようやく東京都だ。

 東京都に入るやいなや葛西臨海公園だ。
 前にも来たことのある西なぎさへ、橋を渡ってゆく。自転車は橋のたもとに駐輪。

 これはおそらくいわゆる人造砂浜なんだろうけれど、なかなかに気分がいい。
 まあ、時期が時期だけに、泳いでいる人こそそれほどいるわけではないが、親子連れなどがけっこうきている。
 飲み物を買って、岩に坐りこみ、そこから一時間ばかり動けず、自転車にまたがったのは12時過ぎ。

 荒川を渡ると江東区。

 ええ、なんにもありません。ただただ、道なりに、西へ西へ。
 風は強かったな。そういえば。

 前を走る女学生のパンチラとかがないものかなあ、と思いながらも、俺に残されていた体力は尠く、どんどんその差を離されながら、あんなガキに自転車で負ける俺って、など忸怩たる思いで走りながら有明コロシアムの横を通り抜け、道の向こうにはビッグサイトが見え、ようやく「東京」という感じがしてきた。

 14時を過ぎ、気づけば台場だった。

 台場だった? ということはレインボー? ということでここまできたら本土へ渡る手段はレインボーブリッジだ、ブリッジを渡って本土に戻らねばいかんのだな、とブリッジの入り口に来ると、どうも、自転車では渡れないそうで。

 ゆりかもめで何度かブリッジを渡ったことがあったが、歩道があったような気がしたんだが、など思ったが、詮索するのも面倒で、来た道を戻りながら、北へ北へ。(わたれると思うんですけどね)

 14時半、サークルK江東有明一丁目店に寄り、ショートホープ1箱、アクエリアス500ml、アミノバイタルを購入(486)。タバコひとつ、と言うと、ワンカートンですか? とよく問い返されるが、そういうものなのか。

 東雲あたりで太めの道に移り、北上。

 晴海、月島など有名どころの土地をとおりつつ、いくつかの橋をわたりつつ、隅田川を渡り、隅田川を渡り、と思いながら渡る永代橋は隅田川にかかる橋で、思いっきり遠回りをしているな、と思いつつ、15時過ぎ、中央区。

 中央区というだけあって、すげえ、都会。

 10分も永代通りを走ればそこは日本橋。ビジネスマンがうろうろする歩道をよろよろと走りながら、東京駅の前を通過しながら、疎外感にさいなまれながら、皇居に到達。

 皇居に知り合いはいないので、横目に見ながら濠沿いに北上していると、靖国通りに15時半。

 ようやく、わかる道に来た。

 ここからは迷うことはない。このまま進めば青梅街道だ、青梅街道をそのまま進めば、家だ。

 武道館で、なんかコンサート的なものがあったんでしょうね、若い女子が九段坂にたむろしていまして、その邪魔なことといったら。どんな男前がその中におるんか知らんけど、今の俺の方がぜったいかっこええぞ、と思いもしなかったことをなんとなく書いておくか。

 東京は狭い、という気がすごくしますけど、それから30分後にはもう新宿。
 靖国通りですからね、そりゃもう人通りがすごくて歩道が使えず、車道をかっとばしました。

 16時を過ぎたころ、ファミリーマート中野鳴子坂店でウイダーエネルギーインと凍らせ生茶500を購入。なんつか、腹に固形が入らなかった。(361)

 そのあとはまあ、人通りの多い歩道を走ったり車道に出たりしながら、16時半に環七、17時に環八、17時半に自宅、と。

 んでひとりで乾杯。

 おしまい。

 総距離は199.85kmでした。
 時間は、ちょうど、48時間ってとこか。

 俺がこのみじかい旅でわかったことは、自転車旅の醍醐味は距離や時間にはない、という、至極あたりまえのことだった。

2004.7/10→2016年ニフティ内で引っ越しのついでにちょい修正

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